2019年6月13日に放送されたミヤネ屋では、最近急増している「ゴミ屋敷」を綺麗に片付けるプロ集団に密着取材した特集が組まれていました。
その中には、40代男性と60代女性が、普通の生活からゴミ屋敷へと変化してしまった原因が語られていましたので、その全貌をご紹介したいと思います。
ゴミ屋敷の撤去依頼件数が急増!?
ある清掃業者が受けたゴミ屋敷の撤去依頼件数は年々増えており、近年は特に急増しているといいます。
なぜこれほどまでに「ゴミ屋敷」が増えて行ってしまったのでしょうか?
(出典:関西クリーンサービスより)
40代男性アパートのゴミ屋敷
<これはイメージ画像です>
ゴミ屋敷に住む依頼人は、8畳1Kアパートに住む40代の男性です。
業者の人が家の玄関を開けると、まずは大量のゴミがお出迎え。
中へ入ろうとしますが、天井まで届くくらいのゴミの山が行く手を阻み、なかなか奥まで進むことができません。
食べ散らかした弁当や空き缶など、家事の危険もあるタバコの吸い殻まで、ありとあらゆる種類のゴミが山のように堆積していました。
さらにトイレや浴室にもゴミがぎっしり詰まっていて人が入れる状態ではありません。
ゴミの中から現れたのは、依頼人の40代独身男性で、見た目はどこにでもいるごく普通の男性でした。
仕事から帰ってきたら、コンビニの弁当を食べて、ゴミのすき間で寝るだけの生活を3年近くしているそうです。
ゴミの中で寝ることが、最初は嫌だったようですが、そのうち気にもならなくなって、これが当たり前になってきたそうです。
依頼者が残してほしいのは、ゴミに埋まっているパソコンだけで、後はすべて処分して欲しいとのこと。
作業スタッフ4人で作業がスタート。
すると、依頼人がゴミの上で生活していたせいで、その重みでゴミが押し固められてしまい「ゴミの地層化」となり、なかなか崩すことができない状態になっていました。
作業が思うように進まないため、スタッフを増員して作業することになりました。
作業開始から5時間、大量のゴミでぎっしり埋め尽くされていた部屋がキレイに片付きました。
今回の清掃で撤去したゴミは約2.5トンにも及んだそうです。
撤去費用は35万円となりました。
ゴミ屋敷になった理由とは?
なぜこれほどまでのゴミ屋敷になってしまったのか、依頼人にインタビューすると、
5年前に仕事が夜勤に変わって、朝帰宅した時にはゴミの収集時間が過ぎていて出せなくなってといいます。
そこで、夜に捨てて出ていくと、時間外に捨てているということで玄関先にゴミが返ってきたことも何度かあり、それを住民に知られるのが嫌になったことがきっかけで、ゴミが捨てられなくなったといいます。
次第にゴミを出すのがおっくうになり、ゴミを部屋に溜め込むようになってしまったそうです。
それからというもの、ゴミが身の回りにあるのが当たり前になってしまい、その環境にどんどん慣れていき、ゴミ屋敷になってしまったとのこと。
この男性は、仕事場はトラブルもなく真面目に働いていたようですが、働き盛りの独身男性がゴミ屋敷になってしまうケースは意外に多いそうです。
例えば、普通に仕事していて突然リストラされたり、生活のリズムが変わる出来事があったりすると、精神的に疲れてきて、ゴミ屋敷になってしまうパターンが多いといいます。
ゴミを片付けようと思った理由とは?
半年くらい前に、自分自身の精神状態がおかしいと思って心療内科に受診したら、片付けられない病気があるからと言われ、薬を処方されたそうです。
その後は精神状態が改善されるにしたがって、この状況が異常すぎると自覚できるようになり、今回ゴミを片付けることを決心したそうです。
60代女性マンションのゴミ屋敷
<これはイメージ画像です>
次に番組で取材されていたのは、マンションに住む60代女性のゴミ屋敷です。
部屋は3LDKの間取りで110㎡の部屋です。
業者が中に入ると、まるでゴミ集積場のようなゴミの山。
どの部屋に入ってもゴミの山で、地面から1.7mくらいの高さのゴミが敷き詰められていて、家全体がゴミの巣窟になっている状況でした。
業者の方は、13年やってて史上最凶レベルのゴミの量だと言ってました。
依頼人は玄関にある少しのスペースで生活し、食事はすべて外食だったそうです。
ここまでの状態になったのは約10年前だそうで、ゴミを自分で片付けることができなくなり、この10年は実家で生活していたそうです。
スタッフは総勢6人で作業スタート。
ネコを8匹も飼っていたこの家では、10年前に放置された糞などがそのままになっており、想像を超えた異臭が・・・。
撤去作業は3日間かかり、ようやく終了しました。
撤去したゴミの量は、約20トン。
撤去費用は120万円となりました。
ゴミ屋敷になった理由とは?
作業を進めてゆくと、ゴミの中からサックスやドラム、ギターや音響機器が出てきました。
これら音楽関係の物はすべて元夫の所有物だったようです。
約30年前に、元夫と結婚し、当初はこの部屋で二人暮らしをしていたそうです。
しかし、音楽関係の仕事をしていた元夫は、突然、別の女性と不倫し、仕事の道具を取りに帰ってくる以外は家に帰ってこなくなったそうです。
専業主婦だった依頼人の女性は広い部屋で独りぼっちになり、悲しさやむなしさから自分自身が壊れていき、引きこもるようになったそうです。
孤独から自暴自棄になり、ゴミを溜め込むようになり、10年かけてゴミ屋敷に化してしまったといいます。
家の中のゴミはほとんどが、ゴミ袋に詰められていて、後はゴミを出すだけの状態のものが多くみられました。
依頼人いわく、ゴミを出しに行くときに、エレベーターなどで人に会うのが嫌だった、とにかく人に会いたくない、何もかもが嫌だったといいます。
ゴミを片付けようと思った理由とは?
つらい過去を断ち切り、人生をリセットしてもう一度やり直したいとの思いで部屋を片付けようと思ったそうです。
ゴミ屋敷になる原因とは?
東邦大学看護学部の岸 恵美子教授によると、ゴミ屋敷になる人の特徴の一つとして、セルフ・ネグレクトになっている可能性があるといいます。
セルフ・ネグレクトとは、生活への意欲を失い、周囲に助けを求める気力も失った状態のこと。
セルフ・ネグレクトになる原因は様々です。
例えば、親しい家族が亡くなるとか、仕事でリストラに遭うなど、人生の様々なショックな出来事を体験することによって、セルフ・ネグレクトに陥ることがあるそうです。
中には孤独死につながるケースもあるそうです。
まとめ
テレビでよく見るゴミ屋敷は、自分でゴミを集めてゴミ屋敷になったケースが多いですが、今回の放送では、様々な事情でゴミが捨てられなくなり、結果としてゴミ屋敷になったケースを見てきました。
どちらのケースも、生活環境の変化がもたらした精神的なダメージが原因でゴミが捨てられなくなり、結果としてゴミ屋敷に化してしまったことが浮き彫りになりました。
これは年齢に関係なく、誰にでも起こり得ることであることも理解できたのではないでしょうか。