近年、テレビなどでもよく耳にするようになった「遺品整理」という言葉。
高齢化社会の現代にあって、人はいずれ愛する父親や母親の死を迎えることになります。
中には一人暮らしの親が誰にも見送られることなく、独り寂しく旅立ったという例も少なくありません。
もし自分の親が亡くなって、その遺品を片付けなくてはならなくなった場合、それを自分で行うこともできますが、あまりにも多い荷物にどこから手を付ければいいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、遺品整理を自分で行うことが困難な場合や、遺品整理業者に依頼する際に失敗しない業者の見つけ方をご紹介したいと思います。
遺品整理を自分で行うことが困難な場合
遺品整理というのは、故人の残したものを片付ける作業ですから、自分で行うという方もいらっしゃることでしょう。
ただ、自分で行うのは困難な場合もあります。
それはどんな状況があるでしょうか?
例えば、
- 実家が遠方で、なかなかまとまった休みが取れない
- 賃貸なので、限られた日時までに物件の引き渡しが必要
- 親の遺品を捨てることができない
- 施設に入っている親が亡くなって遺品をすべて処分して欲しい
- 荷物が多すぎて、自力で片付けるのは不可能
- 重い荷物が多く、一人では運べない
- 廃棄するものを自分では処理できない
- ゴミ屋敷のような状態になっている
- 孤独死で人が入れる状態ではない
このような状況ですと、自分で遺品整理を行うことは困難になるでしょう。
そのような場合、遺品整理業者に依頼することにより、スピーディーかつ、きれいに部屋の中を空っぽにしてくれるでしょう。
遺品整理の現場を知る
故人が亡くなる前の部屋がきれいな状態であることは少なく、多くの場合、物で溢れかえっている状況が多くみられます。
遺品整理を行う前の実際の現場の様子を幾つかご紹介します。
比較的キレイな部屋
ゴミ屋敷状態になった部屋
【閲覧注意】孤独死によりしばらく遺体が発見されなかった部屋
遺品整理を自分で行った場合にかかる費用
もし自分で遺品整理を行った場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
自分で行った場合にかかるものとして、次のものが挙げられます。
レンタカー | 荷物の量によってはトラックやアルミバントラックなどが必要になります。 |
食事代 | 一人で作業できない場合、親族を集める必要があります。 |
交通費 | 遠方の場合は、飛行機代や新幹線代などがかかる場合があります。 |
廃棄処分料 | 自治体の廃棄処分場に持ち込めば、比較的安価で抑えることができます。 |
備品 | 段ボール、ゴミ袋、軍手、長靴、マスク、ガムテープ、ヒモなど |
状況によっては、上記以外にかかってくる出費があります。

遺品整理を業者に依頼した場合の相場は?
では、遺品整理を依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
部屋数や家財の量、作業内容、作業環境などによって料金は異なりますが、一般的な料金は以下の通りとなります。
間取り | 料金相場 | 作業人数 | 作業時間 |
1R・1K | 3万円~8万円 | 1~2名 | 1~3時間 |
1DK | 5万円~12万円 | 2~3名 | 2~4時間 |
1LDK | 7万円~20万円 | 2~4名 | 2~6時間 |
2DK | 9万円~25万円 | 2~5名 | 2~6時間 |
2LDK | 12万円~30万円 | 3~6名 | 3~8時間 |
3DK | 15万円~40万円 | 3~7名 | 4~10時間 |
3LDK | 17万円~50万円 | 4~8名 | 5~12時間 |
4LDK以上 | 22万円~60万円 | 4~10名 | 6~15時間 |
※上記料金には、作業費・人件費・車両費・回収運搬費・廃棄物処理費が含まれています。
※ゴミ屋敷の清掃や、特殊清掃(孤独死など)が必要な現場は、別途見積もりが必要です。
料金に大きな幅があるのはなぜ?
料金に大きな幅があるのは、同じ部屋数でも処分する家財の量や種類によって変動するためです。
もし、一部屋しかないのに、処分するものが大量にあったり、人手がかかる現場であれば、費用が高くなることもありますし、逆に部屋数が多くてもきれいに片付いていて物が少ない場合は、少人数で作業できるため、実際の部屋数より少ない料金で済む場合もあります。
オプションサービスは追加料金
遺品整理業者によっては、荷物の片づけだけでなく、エアコンの取り外しやハウスクリーニング、遺品供養など、別途オプションサービスを提供している業者がいます。
もしオプションを依頼した場合は、追加料金が発生する場合があります。
どこまでのサービスが必要かを事前に相談し、正しい見積りを出してもらうようにしましょう。
遺品整理の料金を安くする方法
遺品整理の料金はなるべく安い方がいいですよね?
次の方法で、ある程度の料金を抑えることができます。
1.複数業者の見積もりを取る
同じ地域に複数の遺品整理業者がいる場合は、複数の業者から見積りを取ることをおすすめします。
できれば3社くらいの見積りを取ってみると、大体の相場が分かります。
ただし、最も安いからその業者に決めるというのは危険です。
相場よりあまりにも安いのは安いなりの理由があるので、もしかすると当日になって想定外の費用がかかったといって請求されることもありますので、逆に候補から外してもいいかもしれません。
2.遺品買取りをしてもらう
骨董品や貴金属など価値の付きそうなものは買い取りに出すことができます。
遺品整理業者の中には、不用品買取サービスを行っている業者もいますので、それらを買い取ってもらえば、作業料金から差し引いてもらうことができます。
もし不用品買取サービスを行っていない場合は、訪問買取りサービスを利用することもできます。

3.自分のできる範囲で片付けておく
遺品整理の見積りは、処分する量が多ければ多いほど高くなります。
ですから、前もって片付けられるものがあれば、自分のできる範囲で処分しておくと、見積り料金も抑えることができます。
もちろん、料金を安くするために無理をして怪我をしたり腰を痛めたりするといけませんので、無理をしない範囲で行うようにしましょう。
悪徳業者の見分け方
近年、遺品整理の需要が急速に増えたことにより、その需要を利用して荒稼ぎしようとする悪徳業者がいるのは事実です。
見積り金額が極端に安すぎる
消費者センターに寄せられる苦情で最も多いのが、高額請求の案件と言われています。
最初は安く見積もっておいて、後から「予想以上のゴミがあった」とか、「見積りの時にはなかったことを当日頼まれたから…」といって、値段を倍にしたり、ひどい時には3倍に吊り上げたりする業者もいます。
ついでにこの自転車も処分して、なんていうと、それだけで10万円上乗せするというケースもあったようです。
一社だけの見積りだと、高いのか安いのかが判断できませんので、数社の見積もりを取って、あまりにも安い場合は候補から外すことをおすすめします。
対応が悪い
電話での対応や、訪問見積りの際の態度が悪かったり、質問してもなかなか返答しなかったり、見積りに細かい記載がない場合は、悪徳業者の可能性があります。
最初から最後まで気持ちよく取引きできる業者に依頼するようにしましょう。
訪問見積りに応じない
遺品整理の場合、実際の現場を見ずに正確な見積りを出すことはできません。
もし訪問見積りをせずに作業するようなことになれば、作業後に理由をつけて高額請求してくることがありますので注意が必要です。
優良な遺品整理業者ってどんな業者?
近年、遺品整理業者は需要を増すごとに増えています。
その中から優良な遺品整理業者を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか?
遺品整理士が在籍している
一般社団法人遺品整理士認定協会による資格に、「遺品整理士」という資格があります。
この資格は、単に遺品を片付けるだけでなく、遺品に対する供養の気持ちを持ち、想いのこもる品々を取り扱える専門家として、正しい知識や対応ができる者に与えられるものです。
遺品整理業界の健全化のため、全国で問題になっている高額請求や不法投棄などの撲滅のための活動も行っています。
遺品整理士の資格がなくても遺品整理の仕事をすることができますが、法令順守や命の尊さの講習を2ヶ月間行った資格保有者が在籍していることは、その業者の健全性を図る指標としても良いでしょう。
優良企業の認定
業界の健全性のために設立された、遺品整理士認定協会から認定された優良業者は、当協会のホームページに「優良企業一覧」として名前が記載されるようになっています。
法規制を遵守し遺品整理業務を真摯に行っている企業だけが優良企業として認定されます。
優良企業として名前が記載されている企業を選ぶようにしましょう。
見積り金額が明確に記載されているか
見積書の記載金額が、明確に記載されているかがポイントです。
もしあいまいに記載されている場合、後から法外な料金を請求してくることがありますので注意が必要です。
回収品を適正に処分しているか
遺品整理で回収した処分品は、一般廃棄物として処分されますが、その回収・運搬・処分するには、「一般廃棄物収集運搬許可証」という許可を得ている必要があります。
その許可証番号が記載されているか、もし取得されていなくても別の業者に委託されていれば大丈夫ですが、どちらもなければ不法投棄している可能性があります。
対応が丁寧
電話での対応や訪問見積りの際の対応が丁寧かもチェックしましょう。
強引な勧誘やいい加減な説明しかしてくれない業者には注意が必要です。
失敗しない遺品整理業者の見つけ方
上記の通り、遺品整理の需要が増すにつれ、悪徳業者も増えている中、失敗しない遺品整理業者を見つけるのは素人には困難かもしれません。
そこでおすすめなのが、上記優良企業だけが加盟している優良企業の中から、一括見積もりの手配ができるサイトをご紹介します。
それが「みんなの遺品整理」というサイトです。
このサイトには、日本全国から厳選された550社以上の優良遺品整理業者だけが登録されており、依頼地域から要望にあった業者を1社もしくは複数社紹介してもらうことができます。
もちろん、現地訪問見積りにも対応しているので、安心して依頼することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
遺品整理は単に荷物を片付ければそれで終わりというのではなく、大切な家族の思い出が詰まった遺品を丁寧に、しかもスピーディーに整理してくれるものでなくてはなりません。
需要が増すにつれて悪徳業者が増える中、誠実に対応してくれる優良企業に故人の遺品整理をお願いしたものですね。